女性泌尿器
女性泌尿器
「恥ずかしさ」が理由で泌尿器科への受診を躊躇われている女性も多いのでは無いでしょうか。
当院では、内科も診療しており内科受診か泌尿器科受診かは他の人にはわかりません。内科の診療と一緒でも構いません。女性でも安心してご相談にいらしてください。
歳を重ねると様々な身体の悩みが出てきます。
その中でもデリケートで話しづらい排尿のトラブルについて紐解いていきたいと思います。
膀胱にも加齢があり、40歳を超えると排尿のトラブルに悩まされる方も増えてきます。とくに女性は男性に比べて尿道が短く尿漏れしやすい構造になっています。
また妊娠・出産を機に「腹圧性尿失禁」になる方も多いのです。腹圧性尿失禁とは、お腹に力が加わるとその刺激で尿漏れを起こしてしまう失禁で、妊娠中に膀胱が子宮によって圧迫されることで起こりやすくなると考えられています。排尿のトラブルは想像以上に根深い問題で、生活のさまざまな面に影を落としてきます。
例えば夜間の頻尿が睡眠不足を招き、日中の活動(仕事や家事)がつらくなる。急な尿意が心配で集中力が欠けてしまう、失禁が怖くて外出ができない、性行為に支障が出るなど、じわじわと苦しくなってくるのです。
尿失禁だけではなく、頻尿・性器脱・膀胱炎・尿勢低下・尿道ポリープ・尿道憩室など、女性ならではの排尿にまつわる病気がありますので、年だからと諦めずに病院を受診してみてください。
お薬や手術、骨盤底筋体操というトレーニング方法で、排尿のトラブル改善が見込めます。また他の病気が潜んでいる可能性もありますので、身体からのサインを見逃してはいけません。
医学の進歩は目覚ましく、さまざまな手立てがありますので前向きに捉えて、まずは医師に相談してみませんか。
泌尿器科は男性のイメージが強く受診に抵抗がある方は、女性専門の外来を行っている病院もありますので、そちらを受診するのもおすすめです。
膀胱炎とは、膀胱の中で大腸菌などの細菌が繁殖し、膀胱の粘膜が炎症を起こした状態のことをいいます。
膀胱炎は女性に多い病気で、尿道が短く細菌が膀胱まで到達しやすいこと、尿道口の近くに肛門や膣があり細菌が付着しやすいこと、などが考えられます。
大腸菌などの細菌が尿道から侵入し感染することで起こります。
膀胱炎はほとんどがこのタイプで、特に20~40代の若い女性(性的活動期)及び高齢の女性が多いのが特徴です。
頻尿、排尿痛、尿の濁り、残尿感、血尿などの症状が現れます。もし発熱や腰痛などの症状がある場合は、細菌が腎臓まで侵入して腎盂腎炎になっている可能性がありますので注意してください。
急性膀胱炎は感染症としては比較的軽症で、大腸菌が原因になることが多く、抗菌薬・抗生物質の服用で症状が改善されます。
トイレを我慢したり体調が悪かったりすると、膀胱の中で細菌が繁殖しやすくなるので、水分を多めに取り、こまめに排尿するよう心がけましょう。
尿失禁は40歳以上の4割以上が経験しており、実はトラブルを抱えて悩んでいる方が多いのですが、デリケートなお話ため問題が外に出づらいのが現状です。
尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけられており、大きく分けると「切迫性尿失禁」、「腹圧性尿失禁」、「溢流性尿失禁」、「機能性尿失禁」4つに分類されます。
状態や症状に応じて治療や対策方法がありますので、我慢したり諦めたりせずに、早めに専門医に相談しましょう。
急に襲われる切迫感のある尿意や、我慢できずに漏れてしまう症状です。
排尿のコントロールがうまくいかず、トイレに駆け込むようなことが起きるため、外出中や乗り物で移動中などに困ることがあります。投薬治療の有用性が分かっていますので、生活に困難がきたすようであれば早めに受診しましょう。尿を溜める膀胱訓練も有効であることが分かっています。
咳やくしゃみ、笑ったとき、重い荷物を持ったとき、ジャンプや走ったときなど、腹圧がかかったときに尿が漏れてしまう症状です。
女性の尿失禁の中で最も多く、骨盤底の筋肉が緩むために起こり、妊娠や出産、加齢を機に現れます。
妊娠・出産によって、骨盤底筋や括約筋、靭帯など、尿道や肛門のバルブのような役目を果たす筋肉(尿道括約筋)に大きな負荷がかかります。
ダメージによって、膀胱や尿道を支えきれなくなり、尿道を閉じられなくなったために起こってしまうのです。そのため、産後に腹圧性尿失禁に悩まさるケースが多いのです。
また出産の経験とは関係なく、もともと骨盤底筋などが弱い人は加齢とともにさらに筋力が低下して症状がでることもあります。
肥満や更年期の女性ホルモン低下、排便時の強いいきみ、荷重労働、喘息なども骨盤底筋を傷める原因となります。
尿を出したいのに出せない。もしくは尿が出るまでに時間がかっかってしまう、少しずつ漏れ出てしまうなど排尿したいのにできない、思うようにコントロールできないといった症状のことを「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」といいます。男性に多くみられる排尿障害です。
認知症や運動機能の低下が原因でおこる尿失禁です。排尿機能は正常ですが、認知症のためトイレに行くことが困難、歩行障害のためトイレに間に合わないなどが該当します。治療としては、生活のサポートや介護などを見直し改善を目指します。